毎日の暮らしに欠かせぬ当たり前の飲み物
ワダコーヒー株式会社は今から約100年前の1918(大正7)年、和田珈琲店として名古屋で産声を上げました。
市内随一の繁華街、中区栄(さかえ)町に喫茶店の原形のような店が点在したものの、客層は時代を先取りすることに熱心な意識の高い文化人や学生が中心で、コーヒーはまだまだ一般大衆には手の届きにくい特別な飲み物であったようです。
モーニングサービスなどで独自の進化を遂げた名古屋地方の喫茶文化の今日の隆盛ぶりを考えると、時代の先の先を見越した創業者・和田昌信の確かな眼力には身内ながら驚くばかりです。
昌信の商才はブラジル政府のコーヒー宣伝部から中部地区での普及活動を委ねられたことで一気に花開きました。
一部の愛好家を相手にした特別な飲み物から、毎日の暮らしに溶け込んだ当たり前の飲み物へ――。
今やコーヒーは1日の始まりを告げ、語らいを弾ませる脇役となり、仕事で疲れた心身を癒し、夜の憩いを彩るなど、日々の
生活に密着した存在となっています。